policy: 「普通であること」
私達が住宅の設計をするときに、もっとも心掛けている言葉です。
ただし、私達が考えている「普通」は「世の中一般の普通」とは少し違います。
それぞれ毎回特別で多様な「住まう人」と「住まわれる場所」にとって、最も気持ち良く自然な関係を見つけだすこと。
そして、その特別な関係を形にしたものが私達の考える「普通の住宅」です。
この「普通の住宅」は、たとえば建て売り住宅やハウスメーカーのモデルハウス的な「普通の住宅」とは異なった姿をしていることでしょう。
人や場所の豊かで多様な個性を無視したハウスメーカー型の一様なプレファブ住宅には私達は反対です。そして、また同時に、しばしば建築家が行ってしまう住まう人や住まわれる場所に関係のない「ビックリ建築」的な押し付けの個性にも違和感を感じてしまいます。
ある住まい手とある環境が出会って初めて生まれる「世界にただ一つの住宅」。
それが僕達が提案する「特別で普通」な住宅なんです。
style to build:
建築を作るという行為はとても楽しいものです。
私達建築家はもちろんのこと、現場で実際に手を動かして作業を行っている多くの職人達も本来は作ることが好きでその職業についている人たちです。
私達はこの「作ることの喜び」をキーワードにして、各種の職人達と、ただの使用者 / 被使用者という関係を越えて、一つのクリエイター集団として機能するような信頼関係を築くことを常に心掛けています。そのような、ある種クリエイターとしての意識をもったチームに作られた住宅は、とても優れた幸せな建築物になります。
またそんな、気持ちの良いチームにクライアントの方にも少しでも参加していただくことを毎回提案しています。
自分の手が入った家というのは愛着もひとしおですよ。
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2003年 雑誌掲載用コンセプト