V cabinet ・ >< steel table ・ 型抜き鏡


V cabinet
「屋上のランドスケープ」に設置したトポロジカルに裏返った関係にある「E」と「ヨ」の2種類のユニットからなる可変キャビネット。使用目的に合わせて、さまざまなサイズに組み合わされる。1種類のユニットだけで組むと、見えがかり面のパターンは大文字の「X」になり、2種類のユニットを交互に組むと、ゆらゆらと縦に連続する「く」の字になる。各ユニットは「V」型のユニットによって構造的な強度を得るため、すべての部材は厚さ6mmのシナ共芯合板のみで構成される。「XXXX house」の構造バリエーションである。

>< steel table
厚さ4.5mmの鉄板のみで構成されたミーティングテーブル。鉄板の厚みは構造家の佐藤淳氏と製作を担当した袴田工業の袴田哲氏と相談の上決定した。すべての部材は、比率としては紙のように薄いが、テーブル全体の形状によって、十分な強度を得ている。
家具製作業者ではなく、技術力の高い金属加工業者に、直接、製作発注する事でコストを大幅に抑えた。

型抜き鏡
鏡引き(銀引き)をする前に、ガラスにハサミ型のカッティングシートを貼り付け、鏡引き後に取り除くと、シートで隠されていた部分だけ透明なまま残る。カッティングシートはイラストレーターで形態を指定できるので、自由な「鏡/ガラス」の面をつくることができる。鏡工場に直接出向き、職人と話し合って開発した手法である。


「新建築」 2004年8月/新建築社