KIRIHAKO / キリハコ


会津の桐と桐箪笥。国内で最も高いその品質によって有名な「会津桐」と、これを使って伝来の精緻な職人技で制作される「会津桐箪笥」は、たとえば嫁入り道具の代表であるように、最高の祝いの気持ちを表す「めでたい贈り物」として、この国では長らく親しまれてきました。
優れた吸湿性や軽量さに加えて、古くなってもカンナを当てれば再び白い木肌を取り戻すという桐材の性質は、「一生モノ」である嫁入り道具に最適だったのでしょう。しかし、核家族化による住宅の小規模化や頻繁な転居、人々の着物離れなど、生活様式の変化に伴って、その需要は減少しつつありました。そこに3.11東日本大震災です。このままでは、この優れた技術と文化が失われてしまうかもしれません。
私たちが提案するのは、一般的な衣装函サイズのユニット「キリハコ」からなる、可変性のある新しい桐ダンスです。吸湿性や軽量さなど優れた桐の特質はそのままに、現在の衣服に適したモデュールと、引っ越しや独立などによる家族や生活の変化に容易に適応できるユニットシステムを採用することで、「これからの一生モノ」となりうる新・会津桐ダンス「キリハコ」を実現しました。
「大切につくられたもの」を「大切に使い続けること」の幸せさや豊かさを、生涯使い続けられることを前提としてつくられてきた「会津桐ダンス」の伝統は有しています。
そこには「時間を超えていく普遍性」があるかのようです。
私たちが歴史ある「会津桐ダンス」を新しくデザインすることで、学びとり、明らかにしたかったことは、その哲学なのかもしれません。