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地球を鋳型に、建築を組み上げる。
我々が行ったデザイン上の操作は端的に言うとそういうことだ。
具体的には以下のプロセスを経る。

1.メキシコの地表に穴を掘る。
2.そこに配筋を行いコンクリートを流し込む。
3.固化した後、コンクリートをクレーンアップし、他のピースと組み合わせ美術館の構造体とする。
4.残された穴はそのまま半独立の展示室となる。

earth mold concrete(地球型枠)工法とでも呼ぶべきこの施工プロセスは、通常発生する大量の型枠廃材を生み出さないため、森林資源が保全されるグリーンな工法である。
構造体の片面に付着した敷地の「土」はその痕跡であり、サイトスペシフィックな空間性を美術館に付与してもいる。
また、構造体のコンクリートのフォルムと展示室の空間のフォルムは正確に一致することになる。
つまり、建築を作り出したプロセスがそのまま美術館の構成をも決定しているのである。
contemporary artの本質とは、留まる事のない現在性の生成のプロセスである、としたならば、生成のプロセスがそのまま建築の在り様となっているこの美術館と展示されるアートの間には、ある共鳴が起こることになるだろう。
この共鳴の音質こそが我々のデザインの対象であり、最大の関心事となっている。


「デザインマイアミ/バーゼル」出展 バーゼル, スイス